水戸徳川家九代藩主・徳川斉昭公により選定された「水戸八景」の一つに建てられた石碑で、この碑が位置する茨城県立西山研修所構内東南の高台は、久昌寺の附随施設として設けられた学寮「三昧堂檀林」の跡地にあたり、常時数百名の学僧が修行を積んでいたとされる場所で、暮れ六つ時(午後6時)になると、勤行の声や梵鐘の音が太田の町中に響き渡っていたといいます。藩士の文武を奨励した斉昭公は、その一環として中国の「瀟相八景」になぞらい、領内の景勝地の中から水戸八景を選定することで、藩士にそれらを鑑賞させたり、詩歌を詠ませるための場を設けたものと考えられます。碑に刻まれた文字は、斉昭公の筆跡によるもので、「山寺晩鐘響幽壑」(山寺の晩鐘幽壑に響く)との詩歌も残されています。
常陸太田地区 |
常陸太田市稲木町 |
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