ジオパークとは、学術的に重要、あるいは美しい景観をもつ自然公園をいいます。地球科学的に重要な地質遺産に加え、その地域の文化・歴史・産業・生態系を合わせたものです。
また、ジオパークは公的機関・地域社会・民間団体による運営組織と運営・財政計画をもっており、ジオツーリズムを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成しています。
活動としては、その地域の地質的遺産を「保護・保全」するだけでなく、地学教育の場としての提供や防災に対する意識向上といった「教育・普及」及び、新たな観光資源開発や観光客増加といった「ツーリズム」を行っていくことで、その地域の教育・観光に活用し、地域の活性化を図っています。
ジオパークの活動はヨーロッパで始まりました。
1999年に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の協力の下、地質学的遺産の保護などを目的に、地質学的な重要性、希少さ、美しさを持つ場所を保護し、地学教育と研究の場としつつ、持続可能な経済開発の場とすることを目指して世界ジオパークネットワークが発足しました。
しかし、2001年、この活動をユネスコは、正式なプログラムにはしないと決定しましたが、現在も技術的アドバイスを行うなどの協力関係にあります。
世界ジオパークとは、このように発足した世界ジオパークネットワークに認定された地域をいいます。
下の図は、世界27 ヶ国、90 ヶ所に位置する世界ジオパークの分布を示したものです(2013年1月現在)。日本では、5 地域が世界ジオパークの認定を受けています。この図から世界ジオパークは、ヨーロッパと中国に集中していることがわかります。
最新の世界ジオパークの情報は世界ジオパークネットワーク(新しいウインドウで開きます)からご確認ください。
日本では、2008 年に国内の認定機関として日本ジオパーク委員会が発足し、2009 年に日本ジオパークネットワークが設
立されました。日本ジオパークとは、日本ジオパーク委員会に認定された地域をいいます。また、日本ジオパークネットワー
ク加盟地域は、日本ジオパーク委員会の審査を受け、推薦を受けると世界ジオパークネットワークの加盟申請を行うことがで
きます。
2013年1月現在、25地域が日本ジオパークに認定され、そのうち洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸の5地域が世界ジオパークに認定されています。
茨城県北ジオパークは、日本ジオパークのうちの1つであり、常陸太田市は茨城県北ジオパークを構成する市町村のうちの1つです。
最新の日本ジオパークの情報は日本ジオパークネットワーク(新しいウインドウで開きます)からご確認ください。
茨城県北地域には、緑あふれる山々、紅葉の渓谷、白亜紀の翼竜や魚竜、アンモナイトの化石を産出する海岸、日本最古で
5億年前の地層、日本の近代化を支えた鉱山、豊かな山の幸 ・海の幸などのたくさんの地質 ・ 自然 ・ 文化資源があります。
これらをガイド付きジオツアーや各種イベントなどを通じて、世界の人々に楽しんでいただける空間が「茨城県北ジオパーク」
です。2011年に、日本ジオパークとして公式認定を受けています。
茨城県北ジオパークは、地球科学を中心とした自然 ・文化的みどころをテーマごとにまとめた13の“ ジオサイト” から構成
されています。 このうち常陸太田市には、棚倉断層ジオサイトがあります。
茨城県北ジオパークのホームページはこちらから(新しいウインドウで開きます)
私達は、5億年にわたる日本列島誕生の歴史を、この「ひたちの国(茨城県)」を実際に足で歩き、手で触れることによって直接感
じることができます。そのうえ、この大地に動物や植物が生き、私たちの歴史や文化が成り立っているのです。ここでは、茨城県北ジ
オパークの5億年にわたるストーリーを紹介します。
天空を二分する天の川を見てみましょう。地球は天の川として観ることのできる銀河系の中にあります。私たちは、夜空に広が
る無数の星の一つに住んでいるのです。
茨城大学宇宙科学教育センター(高萩市)
ひたちの国は、5 億年前にゴンドワナ大陸の東の縁に火山弧として誕生しました。
その後、大陸の一部となった時期や、海面下に沈んだ時期がありました。
日立市の地層
日立鉱山(日立市)
新しい大陸パンゲアの一部となりました。パンゲア大陸の縁に、海底の移動にともなって運ばれてきた堆積物と陸から運ばれてきた岩石や堆積物がかき寄せられて張り付きました。これらのうち、あるものは地下深くで高い圧力と温度のもとに変形して、日本列島の土台となりました。
花貫渓谷(高萩市)
花園渓谷(北茨城市)
八溝山(大子町)
平磯海岸(ひたちなか市)
現在の地形が作られ始めた時代です。この時代に日本列島は大陸から切り離され、現在のような形になりました。
五浦海岸(北茨城市)
袋田の滝(大子町)
棚倉断層(常陸太田市)
常磐炭田(北茨城市)
地球の気候変動にともなって海面が上下し、その結果、現在の特徴的な地形が形成されました。
千波湖(水戸市)
段丘地形(常陸大宮市)
これらのストーリーは、「茨城県北ジオパークー新・ひたちの国風土記ー」に掲載されています。ジオサイトについては、パンフレット「地質観光まっぷ」に各々のルートと解説を掲載しており、茨城県北ジオパークHPよりダウンロードすることができます。また、大地と自然と文化の魅力をたっぷり味わえるガイド付きジオツアーやイベントに参加したり、マップを持って仲間と気ままに巡ったり、インターネットで参加したりと、ジオパークは色々なかたちで楽しめます。
HP では、イベント情報など随時更新しています!