フルーティーで上品な甘さと香りが漂う「巨峰」。
みずみずしくてシャリっとした食感が楽しめる「梨」。
いずれも常陸太田の代表的な特産物である果実です。
毎年シーズンになると、甘くて美味しい「ぶどう」と「梨」を求め、多くの観光客が市内の果樹園を訪れます。
常陸太田市は、茨城県を代表する梨の一大産地。その優れた甘味と肉質が高い評価を受けています。主に生産されているのは、小目町や内田町近辺の常陸太田地区の南部。およそ50軒の観光梨園があり、8月中旬から10月中旬のシーズンには、多くの家族連れが足を運びます。
常陸太田市の梨は約100年前より栽培され、現在も樹齢70年、幹回り1mを超える20世紀梨が大切に栽培されています。また、庭先販売が主体で完熟したもぎたての甘くおいしい梨を味わうことが出来ます。
「幸水」、「豊水」だけでなく、「筑水」や「秀玉」、「あきづき」などの珍しくて新しい品種の梨を味わえるのも楽しみです。
常陸太田市は久慈川を代表とした清流が流れていて、カルシウムやミネラルを多く含んだ良質な土壌が、梨づくりに適した環境を作っています。
常陸太田市内の梨は、「幸水」や「豊水」など、実に袋をかけずに栽培する無袋栽培で、陽の光をたっぷり浴び、直売が中心のため完熟するまで木に実らせているのが特徴で、甘い梨が味わえます。
常陸太田市の梨の樹は、約130年前の明治10年頃に県下に先駆けて植えられ、度重なる久慈川の氾濫にも耐え、先人たちが技術を磨き、仲間と協力し、現在へと引き継がれてきました。
市内の梨の栽培は、栽培面積23ヘクタール、収穫量381トンで、「幸水」と「豊水」を合わせると全体の9割以上を占めています。「幸水」は8月中旬から下旬頃に、「幸水」や「豊水」は9月上中旬から下旬頃に収穫のピークを迎え、品種によって違った味を楽しめるのも魅力です。(栽培面積・収穫量は農林水産統計年報〈H18年〉による)
一部の観光果樹園では、幸水や豊水を主として、新品種の「あきづき」の栽培が始まるほか「筑水」「秀玉」「南水」「二十世紀」など様々な品種を栽培して、観光客からも好評を得ています。
梨の栽培は、棚仕立てによる栽培方法が一般的です。針金などで平棚を作ったところに枝を一本一本結び、頭の高さくらいに誘引してバランスよく梨の樹を整えます。棚仕立ての梨の栽培は、少なくても200年前には始まっていたといわれています。
陽の光を均一に浴びて育ち、果実の大きさや品質が揃えやすいほか、手が届く高さのため、受粉や収穫などの作業も効率的に行なえます。また、梨の収穫時期は 台風が頻繁に発生する時期と重なりますが、棚で枝を支えることにより、風で枝が揺れて果実が落下するのを防ぐ効果もあります。
梨は、とてもきれいな白い花が咲きます。3月に新芽が伸び、4月に一斉に花を咲かせます。品種や気候により多少前後しますが、梨農家の皆さんは、花が開花すると受粉作業に入ります。梨は受粉してあげないと実になってくれないので大切な作業です。
常陸太田市内で主に栽培されている「幸水」と「豊水」をご紹介します。
品 種 名:幸水(こうすい)
収穫時期:8月中旬〜下旬頃
栽培面積:10ha
収 穫 量:153t
品種特徴:菊水×早生幸蔵。早生種の中でも特に収穫時期が早い。酸味は少なく糖度が高い。果肉は柔らかく果汁も多い。
品 種 名:豊水(ほうすい)
収穫時期:9月上旬〜下旬頃
栽培面積:11ha
収 穫 量:193t
品種特徴:幸水×イ-33。糖度が高いが、ほどよく酸味もある濃厚な味が特徴。幸水よりやや大きめで、果汁が多い。日持ちも幸水よりは長い。
市内の梨園散策には「ひたちおおた梨マップ」が便利です。
JA常陸 なし部会事務局 【電話番号】0294-70-3488